古書を売ろうにも、どの買取先がよいのか決めかねていませんか?
この記事では、古書買取のおすすめサービスを東京・大阪ごとに解説します。
古書のジャンルや高く評価してもらうためのポイントと併せて、参考にしてみてください。
記事の内容を参考にすることで、スムーズに買取サービス選べ、なおかつ古書に関する知識も得られます。
古書と古本の違いとは?

古本と古書は、ともに「古い本」を表す言葉ですが、それぞれのニュアンスは微妙に異なります。
- 古書:絶版となった古い書物
- 古本:一度誰かの手に渡った中古本
明確な定義はありませんが、古書とはすでに絶版となった古い書物のこと。
古い資料など歴史的価値が高い書物や、ISBN・バーコードがない時代に出版された本なども含まれます。
すでに絶版となっている古書は、流通量の少なさゆえ希少性が高く、高値をつけられるケースが珍しくありません。
一方古本とは、いわゆる中古本のこと。
たとえ新刊であっても、一度誰かの手に渡った本は古本と呼ばれます。
限定本・人気作品を除くと、古本は定価よりも安くなるケースが一般的です。
古本と古書を見分ける際には、ISBN・バーコードの有無で判断するとよいでしょう。
ISBN・バーコードは1980年代に導入されたため、コードがあれば比較的新しい書籍(古本)、コードがなければ絶版となった書籍(古書)と判断できます。
古書を買取不可とする書店もある
大手チェーンの古本屋には、古書を取り扱わない店舗が多くみられます。
理由は、下記の2つです。
- ISBN・バーコードがなく商品管理がしにくい
- 査定に専門的な知識・経験が求められる
多くの書店では、ISBN・バーコードを使って商品を管理しているため、コードがない古書を買い取った場合、手作業で管理しなければなりません。
そのため、商品管理に手間のかかる古書を、買取対象外とする店舗が多いのです。
査定額は、再販時の相場をもとに算出するケースが一般的です。
しかし、流通量の少ない古書では相場が形成されず、査定員が自身の経験・知識をもとに価格を付けなければなりません。
したがって、古書の適正価格を算出するには、幅広い書籍の知識と豊富な査定経験が求められます。
仮に、価格を誤れば、書店側・お客さん側のいずれかに不利益をもたらすため、取扱の難しさから古書の買取を対象外とする書店が多いのです。
古書の買取対象ジャンル

ひとえに古書といっても、様々な書籍ジャンルがあります。
- 専門書・学術書
- 医学書
- 理工書
- 戦記・軍事書籍
- 歴史書・歴史資料
- 宗教書・言語書
- 美術書
- 書道書
それぞれのジャンルについて詳しく解説します。
1.専門書・学術書
専門書・学術書とは、学問・技芸など特定分野に関する研究成果などを記した書籍のこと。
専門書・学術書には、
- 建築書
- デザイン書
- ビジネス書
- 法律書
など、様々なジャンルが含まれ、主に研究者や大学院生などが読みます。
専門書・学術書は流通量が少なく、1冊あたりが高価なため、古書でも値崩れしにくいのが特徴です。
また、専門性が高い書籍は需要が高く、プレミアがつくこともあります。
倉庫で眠っている専門書に、思いもよらない高値がつけられるかもしれません。
2.医学書
医学書とは薬や病気、解剖など人体についてまとめた専門書のことです。
医学書には、
- 東洋医学
- 西洋医学
- 解剖学
- 薬学
などのジャンルがあります。
医学書は、医者や看護師、鍼師や検視官など、人体に関わる職業人や医学生からの需要がほとんどです。
医学の進歩に合わせて書籍も改訂・最新版が刊行されるため、新しい医学書に高値が付く傾向にあります。
しかし、専門性が高い場合には、古書にでも1冊あたり数万円の価値が付くものもあります。
まずは、自分で判断するのではなく、買取サービスへ問い合わせるとよいでしょう。
医学書の種類や買取相場を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
医学書の買取はできる?種類・相場・おすすめ買取店舗を詳しく紹介!
3.理工書
理工とは、理学と工学を組み合わせ、総合的な研究をおこなう学問のこと。
理学と工学は、それぞれ下記の分野を取り扱う学問です。
- 理学:自然界の基本法則・仕組みを探求する
- 工学:理学を応用し科学技術を創造する
理工書には、理学・工学のどちらか一方を取り上げた書籍と、双方を一貫して取り上げる書籍が含まれます。
工学書は技術が発展する関係で、古書よりも新書に高値がつく傾向にあります。
一方、理学書は普遍的な法則や自然科学を取り扱うため、たとえ古書であっても価値が下がりにくいのです。
工学・理学を合わせた理工書は、刊行日が新しい書籍ほど高値をつけられる傾向にあります。
いずれにせよ、専門性の高い書籍であれば、価値を高く評価されるため、一度査定してみることをおすすめします。
4.戦記・軍事書籍
戦記とは、戦争記録や戦争を題材にした書籍のこと。
戦記の歴史は古く、鎌倉時代(600年以上前)の平家物語も戦記に分類されます。
また、軍事資料や世界の軍備に関する書籍などは、軍事書籍に含まれます。
軍事書籍は、ミリタリーファンからの需要が非常に高く、古書であっても高値がつきやすいです。
中でも、戦時中の軍事資料・古い写真はプレミアがつきやすいため、捨ててしまう前に買取を依頼するとよいでしょう。
5.歴史書・歴史資料
歴史書・歴史資料には、
- 西洋史
- 東洋史
- 日本史
- 考古学
- 戦国時代
- 江戸時代
- 明治時代
など、様々な国・時代の書籍が含まれます。
研究員・大学教授など職業人からの需要よりも、マニア層からの需要が高い点が特徴です。
歴史マニアには、日本の戦国時代を好む方が多いため、お城や戦、武将に関する歴史書には高値がつきやすいのです。
また、明治時代の資料は、希少性に加え文化的・歴史的価値も合わさり高額買取が期待できます。
ただし、古い書物は紙質が悪く傷みやすいため、買取を検討している場合には、丁重に扱うことをおすすめします。
6.宗教書・言語書
宗教書とは、
- 仏教
- 神道
- キリスト教
- イスラム教
- ユダヤ教
- ヒンズー教
- 新興宗教
に関する書籍のこと。
日本では馴染みの薄い宗教ですが、欧米やアフリカでは、政治や人々の暮らしに影響を及ぼすほど身近な存在です。
そのため宗教書は、研究者・学者から歴史的・学術的な価値を高く評価され、高値が付くこともあります。
7.美術書
美術書は美術を主題とする書籍の総称のこと。
- 日本美術
- 西洋美術
- 中国美術
など、国や時代により様々な絵画や技法が掲載されています。
美術書は供給量が少ない上に、コレクターによる需要が高いため、高値がつきやすいジャンルです。
有名作家が関わった書籍では、1冊あたり数万円に及ぶケースもあります。
美術書の買取相場や対象ジャンルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
美術書は買取できる?種類・相場・店舗から高く売るコツを徹底解説!
8.書道書
書道書とは、技術書や作品集などを含め、書道を主題とする書籍の総称のこと。
書道は6〜7世紀ごろに日本へ伝来した、長い歴史を持つ造形芸術です。
発祥地である中国の書道書は希少性が高く、プレミアがつくこともあります。
古書店の中には、書道用品を取り扱う店舗もあるため、不要な場合には、まとめて買取依頼をしてみてはいかがでしょうか。
書道書の買取ジャンルと相場を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
古本でも買取できる!書道書の相場やジャンル・買取方法を紹介!
東京付近でおすすめな古書の買取サービス3選
東京付近でおすすめな古書の買取サービスは下記の3つです。
- 澤口書店
- 東京書房
- 長島書店
各書店のおすすめポイントと基本情報を解説します。
おすすめ1.澤口書店

「澤口書店」は、神保町に店を構える古書店です。
古書買取の専門知識を持ったスタッフが常駐しており、適切な価格で買取を提案してくれます。
また、取扱ジャンルも幅広く、先ほど紹介した買取ジャンルのすべてを網羅しています。
買取実績は年間1,500件以上を誇るため、安心して利用できるのではないでしょうか。
おすすめ2.東京書房

「東京書房」は創業70年を誇る老舗書店です。
長年培った確かな目で古書の適切な価格を査定してくれます。
店頭買取・宅配買取・出張買取など様々な買取方法に対応しているため、自分の都合に合わせやすい買取サービスでしょう。
おすすめ3.長島書店

「長嶋書店」は古書以外に写真・古地図・絵葉書なども取り扱う古書店。
査定は、最低20年以上の修行をした専門のスタッフが担当します。
遺品整理・蔵書整理にも対応しているため、大量の書籍を処分したい方におすすめです。
大阪でおすすめな古書の買取サービス3選
続いて、大阪でおすすめな古書の買取サービスを3つ解説します。
- 藍青堂書林
- 福永懐徳堂
- 杉本梁江堂
近畿在住の方は、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめ1.藍青堂書林

「藍青堂書林」は、古書の中でも専門書・学術書を得意とする買取サービスです。
藍青堂書林は無店舗かつ少人数で運営しているため、高価買取を実現できるとのこと。
また、独自の再販ルートを持つため、大量買取にも対応しています。
医学書・理工書など、専門書をまとめて売りたい方に適しているのではないでしょうか。
おすすめ2.福永懐徳堂

「福永懐徳堂」は、教養・文化・文学関係の書籍を得意とする書店。
美術書や工芸本・趣味雑誌など幅広いジャンルの古書に精通しています。
古本取扱40年の店主が査定してくれるため、適切な価格を算出してくれるでしょう。
おすすめ3.杉本梁江堂

「杉本梁江堂」は、明治36年創業の歴史ある古書店です。
店頭買取・宅配買取・出張買取に対応していますが、必ず店主が査定・対応しています。
長年、古書店を営んでいる実績があるため、安心して利用できるのではないでしょうか。
古書を高く評価してもらうための3つのポイント
古書を少しでも高く買取ってもらうには、下記3ポイントの確認が大切です。
- 専門知識を持ったスタッフの有無
- 古書の買取実績が豊富かどうか
- 書店の特色と書籍ジャンルの適合性
それぞれ、詳しく解説します。
ポイント1.専門知識を持ったスタッフの有無
古書の査定には、専門知識・古書買取の経験が求められます。
その証拠に、先ほど紹介した書店では、専門スタッフや店主が査定を担当しています。
仮に、経験の浅いスタッフが古書の査定をおこなえば、書籍本来の価値を見落とし、査定額が安くなる可能性も。
したがって、古書を高く評価してもらうには、利用する買取サービスに、専門知識を持ったスタッフがいるかどうかの確認が重要です。
査定員に関する情報は、各書店のホームページに記載があるため、利用前に確認してみてはいかがでしょうか。
ポイント2.古書の買取実績が豊富かどうか
古書の買取実績が豊富かどうかの確認も大切です。
買取実績が多い書店は多くの古書を扱い、査定の目が養われているため。
また、買取実績と併せて書店のクチコミ・評判も確認するとよいでしょう。
査定結果に対する感想のみならず、対応の良し悪しについても把握でき、優良な書店かどうかを見極められます。
ポイント3.書店の特色と書籍ジャンルの適合性
特に、歴史ある古書店では、スタッフの専門性やお客さんの需要をもとに、得意ジャンルを設定するケースが少なくありません。
スタッフが専門とするジャンルの書籍は、適切に査定してもらいやすく、需要が高いジャンルであれば、在庫確保のために相場よりも高めに価格を設定するケースもあります。
書店の得意ジャンルは、ホームページに記載されているため、売りたい古書のジャンルにあわせて書店を選ぶとよいでしょう。
古書を高く評価してくれる書店を選び買取してもらいましょう

この記事では、古書買取のおすすめサービスを東京・大阪ごとに解説しました。
古書は種類によって価値のつき方が異なるため、専門スタッフがいる書店を選ぶことが大切です。
利用する買取サービスを決めかねる場合には、今回紹介した書店の中から選んでみてはいかがでしょうか。
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